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(名古屋・鋼板建材販売部) 平成28年9月23日(金) 【メーカー動向】 国内高炉メーカーは6月から4月以降の原材料値上がり分の3/K 値戻し実施、ASEAN経済復調もあり海外鉄鋼需要増加熱延コイル 輸出も高水準キープ、ロールタイトな状況。 7月末薄板3品在庫は391万トンで適正レベルとなっての下期 需要期入り、建築・自動車・設備関連ともに回復見込む。 10−12月原料炭値上がり確実で更に2〜3/K値上げは避けられ ない状況と考える。 【市中動向】 7−9月も需要は今ひとつ、大型プロジェクト案件は多数あるが 地元建築・土木関連は少なく熱延・中板荷動き低調、工作機械は 補助金絡みの需要も昨年一巡しており期待するほどのではない との意見もあり、鋼板全体の回復にはもう少し時間掛かりそう。 コイルセンター各社とも3/K値上がり玉入荷で採算急速に悪化、 早々に値戻ししなければならない状況にあるも販売低調で稼働 維持のために据え置き決着するなど市況は中々上がらなかったが 10月は需要家価格改定時期であり例年、需要も上向き始める、 下期ユーザー紐付き価格は原材料値上がり受け3〜5/K値上げの 交渉見込み、店売りも6月3/Kに続きに更に2〜3/K値上げは 避けられないと思われ、値戻し・値上げ交渉は進むと考える。 国内自動車生産台数 16年6月 804,201台(前年同月比99.0%) 16年1−6月計 4,494,583台(前年上期比96.6%) 工作機械受注統計 16年8月 受注総額 98,075百万円(前年同月比93.9%) 内需 43,104百万円(前年同月比84.0%) 外需 54,971百万円(前年同月比103.5%) 新築住宅着工床面積 16年7月 85,208戸(前年同月比108.9%) 季節調整済年率換算100.5万戸(前月比100.1%) 【輸入材・海外動向】 ASEAN地区の経済復調により鉄鋼需要増加、日本からの熱延 コイル輸出も高水準キープ。8月中旬から原料炭価格が急騰、 オーストラリア供給元の設備トラブルや中国・杭州で開催された G20に合わせた環境規制終了からの増産、インド高炉の購入増 などの幾つかの要因が重なり中国スポット価格は8月中旬から 1か月で2倍(90ドル=>180ドル)まで跳ね上がっている。 一時的なものとの見方もあるが中国経済全体は減速も自動車 などの製造業・鉄鋼業は比較的順調、この価格レベルで推移 する可能性も考えられ今後の動向に注目したい。ただ一方で 北米AD提訴による影響で中国・韓国などアジアから北米への 薄板3品輸出が事実上できなくなったことにより行き場を なくしたコイル・鋼板のアジアへの還流も予測され日本 マーケットへの影響も危惧される。 (課長 石黒 靖浩) |